Illustration by秋霖

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Story1

『白紙のわたし』

純潔とか、清らかとかいいますと、なんとなく白い感じがしますよね。
まずはそんな白さを目指しました。
伸びしろとか、成長の余地とかいいましても、白い感じ、しますよね。
そんな白さも、目指しました。
あなたの時間とともによごれて、彩られていくために。
けっこう、白く作ったと思います。たぶん。

(文章:秋霖)

Story2

『Soil me, please!』 

なんにもないの、あたし。

何も持っていないのよ。過去も、未来も、何一つ。

自分のことなんて、なんにも知らない。だからかしら、輪郭がぼやけて、手も足も、口も耳も、はっきりしないの。あたし、この目で見る以外、何もできない。あたしと世界の境界さえも、曖昧なのよ。

あたしのこと、カワイソウって言う人もいるわ。でも、あたしは自分を哀れんだりしていないの。だってあたし、世界で一番自由なんだもの。何もないのって、自由なの、とっても。

生きていくって、汚れていくことだと思うわ。鮮やかな色で着飾るの。いろんな色を身にまとううちに、染みついて、洗っても落ちなくなって、色と色とが混ざり合って。だんだん、汚れていく。だんだん、黒ずんでいく。そうするとね、見えてくるのよ。はっきりしてくるの、世界と、あたしの、境界線が。汚れることで、あたしの輪郭が生まれるのよ。手足が世界から分離して、耳と口と鼻が整って、かたどられていくの、あたし。人生って、そういうものだと思うの。

まっしろなままでいたい。それと同じくらい、早く汚れてしまいたい。

白い白い今のあたしは、あたしの人生で最高に自由なの。きっと、これから、少しずつ汚れていくんだわ。赤? 青? 緑? 黄色? 色をまとうたびに、個性的になっていくの、あたし。今なら何色にだってなれる。わくわくするでしょう?

ねぇ。あたし、何色になったらいいかしら? あなた、何色になりたい? まっしろなままでも構わないわ、まっしろで自由なあたしを、今だけのあたしを、大切にするのもいいかなって思うから。

黒も白も、同じくらい素敵ね。考えただけでどきどきするわ。

まっしろに飽きたら、どうか、あたしのこと、個性的な色で染めてちょうだいね。

(文章:海野きせ)

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